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zoom RSS 最近の読書「人間にとって科学とはなにか」

<<   作成日時 : 2016/10/10 22:49   >>

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 「人間にとって科学とはなにか」は湯川秀樹さんと梅棹忠夫さんの対話です。もう50年くらい前が初版の文庫で、病院に行く途中の古本屋で108円で売ってたので、待合室で読むために買いました。
 
 湯川秀樹さんといえば戦後まもない昭和24年にノーベル賞を受賞しているとんでもない人ではあるのですが、一般的?には足利義満、正岡子規と並んで教科書の落書きの下絵として、理科や社会の授業中に図工や美術の時間以上の情熱を注がれ、数々の力作を産み出した対象として馴染みがあるかもしれません。
 
 当然、ご職業柄、難しい話もあるのですが、対話集ということで、易しい文章が多いです。以下、気になったことをちょこちょこと。

 当然ながら将来の展望がすごく、「物理学が物質とエネルギー以外のものまで、その対象の中に取りこんでゆくとすれば、どういうものが考えられますか?」という問いに、「…重要なものがいろいろある。中でも、従来の物理学…一番つながりのありそうなものは「情報」です。」と回答しています。この本の初版は昭和42年で、学問的にはDNAの遺伝情報の研究などはすでに対象となっていたみたいですが、世間的には白黒テレビの時代で、情報が生活の隅々まで入り込む時代になるなど、一般の人には想像もつきにくかったと思います。
 
 また、科学者だからと言って、科学礼賛というわけでもなく、「…老子も似たようなことを言っている。…人間社会というのは、小さい国で人が少ないのがいい。隣の村が見えるくらいのところにあって、そこでニワトリや犬が鳴いているのが聞こえてくる。それでもおたがいは交流せん。かってに暮らしている。そういう状態がいいと言っている。これは情報伝達をやめようという意味もある。また別の意味で人文社会科学否定でもある。それが間違ってる、ときめつけることはなかなかいえないな。つき合いしているからうるさいことができる、科学も進むだろうけれども、困ることも多くなる。どっちがどうやろうか、なかなかそう簡単に答えられる問題でない。20世紀になってからそういう問題の深刻さがわかってきた。」

 教科書では無表情のいかにも学者といった表情だった記憶があるのに対し、この本のなかでは内省的で、人間性の豊かなかたなのかな、と感じてしまいます。

 ちなみに、老子は上のような、小さい国で人が少なく、武器を使わず、命を大事にし、昔の生活を楽しむようにすれば、(他国とも)お互いに往来しないだろう(ちなみにこれはこれで面白いというか、難しい解釈はわかりませんが、2000年以上前から人間関係はつかず離れずが良いと思われてたんだな、と思うと納得がいきます。)、みたいな感じで、謙虚で他人と必要以上に関わらないことを是とするものが多いような気がします。聖人は何もしないから何も損なわない、とか、私には三つの宝があり、一つは慈しみ、一つは倹約、一つは天下の先頭に立たない、とか  

 将来の展望の中のひとつには「私は科学が万能だとはけっしていわないし、自分でも思っていないけれども、現実には科学万能に近い世の中になりつつあると思います。極端なことをいうようですけれども、科学の万能性をはっきりさせるような決定的なものが、将来いくつか出てくるかもしれないと思います。…その一つは、私、くすりだという気がするんです。くすりというものは、人間のいろいろな心理的状況をコントロールし得るわけです。…多くの人たちが自発的にそういうくすりを飲むのは、どう考えたらよいか。将来は大問題になるのではないか。」  
 
 今も鬱状態を治したりする薬はありますし、副作用が改善されたりしていて、開発が進めばもっと一般化するかもしれませんが、この将来の展望は当たるのか、当たってほしくないような…  

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
ねーりさん、こんにちは。
また難しい本を・・・。
私なんて、老眼が進んで本を読む気になかなかなれなくなってきました(;_;)

今の時代は本当に情報が溢れていて、それが間違ったものだとしても、ネットであっという間に広がり「真実」になってしまうこともあり、非常に恐ろしいです。
何か調べる→すぐ答えが出る・・という便利さもありますが、ネット社会がここまで来ると、人間の考え方や行動にもかなり変化が出てくるはずで・・・。

子供間でのイジメも複雑化しているし、昔は電話ひとつかけるにも、親が出ることが多く、子供の友人などもそれとなく把握できていましたが、今はダイレクトに当人同士のやり取りなので、交友関係がまったく分からないという親も増えてます。うちも、そうです。
己で使用しておきながら、矛盾してますが、スマホなんてない方が良いのに・・・とも思います。
TVもそうですが、そういった物がなければないで普通に生活していけますものね。

薬かぁ・・・。
副作用が改善されるというのは難しい課題ですよね。
薬・・・や、世の中が発達する分、人の免疫力が落ちていく気がする。

因みにいま、風邪気味です;;いつものように喉から・・。
ねーりさん、温度差が激しい時期なので体調崩さぬよう気をつけてくださいね。
ぺく
2016/10/23 12:39
ぺくさん こんにちは

返信が遅くなってすみません。

>ネットであっという間に広がり「真実」になってしまうこともあり
だいぶ前ですが検索サイトの候補で「○○(名前)」と入力すると「○○(名前)△△(犯罪行為)」みたいな候補が出ることで訴訟になってましたよね。

ネットではいいこともありますが、普段人前では口にしないようなことが、目に触れるようになったこと、しかもそれがおっしゃる通り真実であるかのように掲載されてしまうようになったことは、それまでの時代と大きく異なる点だと思います。

ちなみに私はそもそも評価とか価値とか好きではなく、一つは、国が優秀な人材を育成するために成績を設けたり、会社が利益を上げるために社員を評価したりするのは、その目的のために必要なのでしょうけど、問題はその目的を外れたところで「あの人は成績が優秀で…」とか「あの人はどうかな、」とかその人全般の評価に関するように言われるのは、どうかなと思います。
まして「人間性が…」とか言われても、学校や会社ではよそ行きの態度しか示さないのに、その人の人間性が推し量れるはずもないと思います。(続きます)
ねーり
2016/10/30 15:16
もう一つは、私自身が色々あって落ち込んでいた時に友人が次々去っていったことがあり、変なことも言われてたりして、私自身は変わらないのに、人間の価値とか評価とか意味とか不確かなもので、人の態度は変わるんだ、といったことがありました。

脱線してしまいましたが、ネットの中であらぬことがさらされるようになったことと、それを面白がる人たちがいることを思うと、やるせない気持ちにもなりますが、なってしまった以上はこの時代をうまく生きていくしかないのかなと思います。

風邪はよくなりましたでしょうか
昔、お気に入りの漢方薬がなくなりかけてるような話があったかと思いますが、今はどうされているのでしょうか
お大事になさってください。
ねーり
2016/10/30 15:16
ちなみに私は「人間性」という言葉を信用していないにもかかわらず、本文中で人間性という言葉を使っているのに今気が付きました(+_+)

ということで人間性に問題があるのは私自身かもしれません

ねーり
2016/10/30 15:36
ねーりさん、こんばんは。

風邪は良くなりました♪
わぁー、すごい記憶力!
以前、紹介したことのある、牛黄南天(あれ?字がわからなくなっちゃった(^_^;))
ですね!
会社が倒産して、別の会社が受け継いだアレ!
でもね、別の会社が受け継いでくれたことを喜んだのに、成分が微妙に変わったのか、あまり効かなくなっちゃったので、今はパブロンSゴールド飲んでます。
あの時の牛黄南天はよく効いたのになぁ…。

人間性ですか…。

特に仕事もせず、しょっちゅう無駄な残業をつけるくせに、年末が近づくと、扶養金額オーバーしちゃうから休みまーす。と言い出したり、介護度の重い方や、明らかに便臭のする方のトイレ介助をやろうとしなかったりする人は、私の中での評価が思いっきり下がります(笑)

職場や、年齢にもよると思うのですが、介護職は、結構 人間性が出ますね。
力仕事も多いのですが、絶対やろうとしない人もいるし、人に厳しく自分に甘い年頃の方が多いということもあるからかな。
ぺく
2016/10/31 00:58
私も、ねーりさんの仰るとおり、職場では本来の自分なんて半分くらいしか出してません。
多分、私が死んだらお葬式で、本当に良い人だったのにね……なんて言われると思いますよ(笑)
それくらいハードな仮面を付けて働いてます。
すべて、ギクシャクした中で働きたくない一心で。
それなのに、大先輩方は言いたい放題です。
それに、反論すれば、働きにくくなるから、我慢する人は少なくありません。
結局、世の中は言ったもん勝ちなんだな。と、つくづく思いますよ。
でも、そういう人は嫌われますけどね。他人にどう思われようが関係ない、という強者は、特ですよね。ン?特なのか?

人が人を悪く言って来ても、判断は自分がするものですよね。
あ、ホントだ…と、納得してしまう場合もあれば、そんなことないじゃない、あなたの方がよっぽどじゃないってこともありますもんね。
喧嘩両成敗じゃないけど、両方の話を聞かないとわからない。

公平でありたいな……と思います。
長々すみません(^-^;なんだか支離滅裂な文章になっちゃいました。
ぺく
2016/10/31 01:01
ぺくさん こんばんは
コメントありがとうございます。

ぺくさんのお仕事は同僚にも気を遣うでしょうし、お仕事の内容もご利用者様の介護と常に対人関係が続くのですからストレスを受けることも多いでしょうね

言いたい放題な方がいらっしゃるのですね。うちも似たようなタイプの人がいて、社外の人にまで怒ってる人がいましたよ「どこかの国の将軍様でも外国人には面頭向かって怒らないのに…」と思いました

でも言いたい放題言っている、と周囲に思われている人が意外に、「自分は言い足りなくてストレスを感じている」と思っているらしいですよ
何年か前ですがテレビで「「ストレスなさそうですね」というと日本人は怒る」というのをやっていました

ぺくさんは仮面を脱いでもいい人だと私は思いますよ。仮面を脱いだら「あら、小顔」と口々に言われるかもしれませんが

ちなみに老子は「戦闘に優れた者は怒らない、敵に勝つ者は敵を相手にしない、他人をよく用いる人は彼らに対しへり下る」とあるので何千年も前から、我が強い人に対してうんざりする気持ちがあったのかもしれませんね
ねーり
2016/11/03 05:23

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